イラストSS

　それは乙女の一大決心だ。
　シャイネンナハトに願う魔法。

　すこしだけ。ほんのすこしだけゆうきをください。

　大好きなあの人のために。
　
　衣擦れの音がやけに響く。
　シフォリィ・シリア・アルテロンド（p3p000174）は姿見に映る自らの姿に頬を染める。
　何も身につけていない鏡の向こうの自分。
　その自分に真っ赤なリボンをまいていく。
　際どい部分は隠しているものの赤いリボンが白い肌を飾っていくたびに扇情的になる。
「本当にこれでいいんでしょうか？」
　友人に相談しておしえてもらった「必殺技」だ。
　はしたなくてもしかたない。必殺技だから。
　リボンを巻き終え、キャンディーとハートのクッションををちらしたベッドに横たわり「ＹＥＳ」と描かれたピロークッションを抱きしめる。
　コテコテにやりすぎ感はあるけど朴念仁相手にはこれくらいやんないとだめだと友人にアドバイスされている。
　どきどきと心臓が跳ねる。
　トントンと扉が叩かれた。
　あの人だ！　心臓が破裂しそうなほどに暴れまわる。
　もう逃げ道はない。
　シャイネンナハトの神様！　お願いします！
「どどどど、どうどうぞ」
　シフォリィは扉の向こうのあの人に震える声をかけてからキュッと小指を噛んだ。


　※SS担当者：鉄瓶ぬめぬめ