イラストSS

「わたしに教わりたい、と――些細承知致しました。
　ですが、わたしは人の子ではありません。シキさんに教授する術式は辛い道のりになるかもしれません」
　そう告げた黄泉津瑞神にシキ・ナイトアッシュ(p3p000229)は首を振った。
「この刀が届く限りを護れるように強くなりたいんだ」
　その手に握りるは瑞神。嘗て、神逐の儀を為し得た際に神使であるシキが手にした彼女の力の欠片。
　悍ましき負、けがれの気配は形を潜め彼女が息づき、黄泉津の安寧を願う心が感じられる。
「だからお願い、瑞」
　自身が、その刀を手にしたのには理由があった筈だ。それが、彼女の持ち得る術式を少しでも会得することに繋がっているならば。
　心優しき黄泉津の守護神霊。その彼女のこころを届けに行きたいと――それが『友達になると誓った』自分自身の在り方であるとシキは感じていた。
「……承知致しました。わたしは、シキさんに感謝をしております。
　あの日、わたしが抱いた大呪だって殺してみせると。決意を示して下さったあなたならば、どのような苦しみでも乗り越えられるはずでしょう」
　此の地は神威神楽――神意と共に歩み進む命脈を紡ぐ地。
　故に、彼女の新たな力となれるように。
　黄泉津瑞神は決意を固め、ゆっくりと立ち上がる。友人へ――シキへと術式を授けることした。


※スキル『車輪蓮咲』を習得しました！