イラストSS

　普段は煉瓦作りの倉庫を利用したショッピングモールにシャイネン・ナハトの露店が建ち並んだ。
　その賑やかな中を歩くふたり、秋奈と紫電は、露店に置いてあったスノードームを覗いたりと楽しいデートの最中だ。
「あ、見て！　あれ美味しそう！」
　そう秋奈が指差して向かった先はチュロスの店で、さんざん悩んで紫電がメープル、秋奈はストロベリーソースとチョコレートソースを買った。
「んむんむ、なかなかに美味しいな！　紫電ちゃんのも一口、ちょーだい」
「ああ、どうぞ。秋奈のもくれ」
　お互いが買ったチュロスを一口づつ、食べさせながらそぞろ歩く。
　道を半分ほど進んだ頃、露店の他にフォトフレームや撮影ポイントを記した目印が目立つようになってきた。
「一応、オレたちも撮るか？」
「じゃあ、あのフレームが良い」
　どことなく悪そうな雰囲気を持つ雪だるまをふたりで囲い、スタッフに撮って貰うとその場で現像された写真を受け取ってまた歩き出す。
　そうして辿り着いた目的地、巨大なクリスマスツリー前の椅子になっている花壇に座って残っていたチュロスを食べきる。
　それからふたりは、いつまでも手を繋いでいた。


　＊SS担当者：桜蝶京嵐NM