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イラスト詳細

聖夜の売り子サンタ

作者 黒猫
人物 ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル
マリア・レイシス
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ)
登録されているアルバム
納品日 2020年12月24日

8  

イラストSS

 聖夜に鳴り響くのは2人の声。

「い、いらっしゃいませー!」
「ケーキが安いぞ!」

 サンタのコスチュームに身を包んだマリアとブレンダがイルミネーションに照らされる街頭で何故かケーキの売り子となっていた。
 何故か、とはいうが実のところそう難しい理由があるわけでもない。たまたま店の前を通りかかった2人が店主に泣きつかれ、人の頼みを断れない二人が売り子をすることになった。ただそれだけの理由。

「クリスマスにはケーキだろう!」
「チョコやイチゴがあるよ!」

 どちらも売り子なんて初体験。
 マリアにはまだ少し照れが残り、ブレンダは少々雑。それでも2人の声と容姿で少なくないケーキが売れていく。
 聖夜に何故わざわざこんなことを、と思う者もいるかもしれない。
 しかしこの二人はそんなことは考えない。誰かが困っていれば助けるのは当たり前だから。自分が動くことで誰かが助かるのなら悩むことなく動く、そんな二人なのだ。
 ケーキを買っていった人たちは別のどこかで笑顔を配っているのだろう。その手伝いができればそれで満足なのだ。



 雪の降る星空の下。サンタが売るケーキもあとわずか。
 あとはもう大丈夫だと店主にお礼の言葉を貰い、差し出された謝礼は断った。その代わりと言ってなんだが今回の衣装はくれるらしい。

「お疲れ様だよ。ブレンダ君は寒くないのかい?」
「少しばかり寒いが我慢できないほどではないさ。マリア殿もお疲れ様」

 合うサイズがなかったせいでブレンダの衣装はこの時期に合わない物になってしまったが些末なことだった。
 更衣室で着替えると2人はそのまま裏口から店の外へ。

「メリークリスマス、マリア殿」
「メリークリスマス、ブレンダ君」

 ケーキを片手に2人はまた聖夜の喧騒へと消えていく。
 2人のクリスマスはまだ終わらない……。


 *SS担当者:灰色幽霊NM

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