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きみとすごすじかん
きみとすごすじかん
イラストSS
今日はシャイネンナハト。
夜に備えて買い出しも済ませておいた己をこころの中で褒めておきながら、チックは寝室に待つミィの元へ。
窓の外からは色とりどりのイルミネーションと、白いゆきがしんしんと降りだしている頃だった。
たくさんの家の、色鮮やかな屋根がまっしろな雪化粧をしている。冬場にしか見られないこの光景は、チックにとっては冬場のたのしみのひとつだ。
今日は空に雲一つなく、月がぽっかりと浮かぶばかり。
まだ雪は止まず、ミィは窓ガラスをカリカリとひっかいて、外が気になるのだと訴えて。
「……だめ。こっち、ね?」
ひょい、と小さなそのからだを抱き上げて膝の上にのせてやれば満足したのかチックの膝の上でじゃれついて。
遠くから聞こえてくるこどもたちの楽しげな笑い声。
ケーキがおいしそうだとか、チキンをはやくたべたい、だとか。
そんなありきたりで、けれど尊い幸せをかみしめることができる今日がたまらなく愛おしい。
ろうそくの灯りが淡く煌めき、揺れる。
まだ雪は止まない。イルミネーションのひかりを吸い込んで、七色に煌めいて。
柔らかなひかりがチックとミィを照らした。
*SS担当者:染NM