イラスト詳細
エル・ウッドランドのOHUによる3人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
「輝かんばかりの、この夜に!」
「かんぱいなの!」
「さあ、遠慮なく飲むゆ。ワインなんて久々ゆ。あ、エルはぶどうジュースゆ」
エルは、この日この夜の為にストレリチアとパパスを呼び、互いに着飾ってパーティーを開くことを提案した。
暇人のパパス、酒さえ飲めればいいストレリチアは二つ返事で了承。
エルが主に場所と料理の手配を行い、酒はストレリチア、パパスがポテサラ……という配分となった。
「ワインの酸味にポテサラの甘味がちょうどいいの! プチトマトの酸味がワインと溶け合ってサイコーなの! 芋焼酎とかほしくなるの!」
ストレリチアはどこから調達したのかミニスカサンタ姿。すっかり出来上がっている。
「お2人ともおしゃれですね。ご飯も美味しいですし。お酒が飲めないのが勿体ないです」
エルはハイネックのセーターにジャケットを羽織り、フォーマルに。2人を招く立場だけあってしっかりしている。
「ストレリチア、焼酎ならそこにあゆ。エルはあと2年待つゆ。そん時わたちとおまえが無事なら付き合ってやゆ」
パパスはおとなしめなコーディネートだ。彼女にしては珍しい。アレなところもあるが、社交性はそれなりということか。
エルはパパスの自然な、そして「大胆」な誘いに思わず目を丸くして彼女に詰め寄った。
「本当ですか? 本当にその時は付き合ってくれますか?」
「近いゆ」
「むぐ」
パパスはカウンター気味にエルの口にポテサラを放り込み、肩を押さえて押し返した。それからチキンをひとつ掴み、豪快に噛みちぎる。
「わたちは嘘は言わねえつもりゆ。誘われたよしみと思って一緒に飲んでやゆ。何しろわたちは飲み友がいねえゆ」
「パパスばっかりずるいの! 飲みならわたしも付き合うの!」
「ストレリチアは黙ってても飲みにいくだろうゆ! 抜け駆けされないようにわたちがツバつけといて当たり前ゆ!」
ストレリチアの横槍に、チキンを咀嚼しながらジト目でパパスは相手を見た。「保証はできないの、でもこのチキンもとってもおいしーの!」とストレリチアははぐらかした。この会話は畢竟、パパスが冗談半分でした提案を、思いの外楽しみにしていそうだ、ということが見える……エルにとってそれは嬉しいことだ。
「とっても楽しみです。期待してもいいですか?」
「勿論ゆ。でも、先々の話は置いとくゆ」
そう、先の話など今はわからない。けれど、だからこそ今は、大人2人の酒の嗜み方を学び、2年後にその日を迎えられるよう祈るのだ。
*SS担当者:ふみのGM