PandoraPartyProject

イラスト詳細

ティスル ティルの彁によるおまけイラスト

作者
人物 ティスル ティル
サンディ・カルタ
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2020年12月24日

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イラストSS

「本当だって! ぼく、見たんだ! サンタさんを見たんだ!」
 それは冬の、なんてことないおとぎ話だ。
 シャイネン・ナハトの夜に良い子のもとへと現れる祝福(プレンゼンター)の存在は、どこの世界でも変わらない。それは、或いは子供を善行に走らせる為の親の口八丁でしかないのだが――今宵に限っては、ちょっと違う。少年は本当にサンタを見たのだ。

「お……っと。起こしちまったかな」
「サンディ君、静かに静かに……!」
 その夜、少年は多くの子供と同じようにサンタの顔を見ようと待ち構え、いつの間にか眠ってしまっていた。目を覚ました彼の前に現れたのは、男女一組のサンタ……だろうか。
 男性の方はその身ひとつで2階の窓の前に立ち、もうひとりは背中の白翼を震わせている。宛ら天使のようだ。
「いい子にしてたか? じゃあ、この話も秘密だぜ」
「騒いじゃだめだよ? 静かにできるわよね?」
 小声で2人にそう告げられ、少年はこくこくと首を縦に振る。直後、青年――サンディから渡された箱を後生大事に抱えた彼は、天使の女性――ティスルへと深々とお辞儀をしていた。
 上げた顔の先に、2人の姿はなく。少年の口に戸が立てられぬのも、常である。
「それでサンディ君、あと何件?」
「えーっと……ざっと10件くらい……」
「なんとかなる……わよね? 頑張りましょっか」
 今夜は争いもない佳き日だから。
 2人の依頼人が玩具屋だとか、そういう話は――深々と降る雪の下にしまっておこう。


 *SS担当者:ふみのGM

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