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イラスト詳細

オクト・クラケーンのゴリラによる3人ピンナップクリスマス2020(横)

作者 森乃ゴリラ
人物 オクト・クラケーン
キドー・ルンペルシュティルツ
グドルフ・ボイデル
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ)
納品日 2020年12月24日

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イラストSS


 とうとう年貢の納め時、海の藻屑か……と思っていたかい? ところがどっこい、『三賊同盟』はしぶとく生きている。
 どうだい、興味あるだろ?
 その後の三人に。


 ここにシャイネンナハトにふさわしい天使はいない。いるのはぶくぶくと肥太ったクソッタレの監督官と、俺たちのように娑婆でドジを踏んだむさくるしい悪党だけだ。
 心が洗われるような清らかな聖歌も煌びやかなイルミネーションも当然ない。
「っていうか、まだシャイネンナハトなのか?」
 左の人差し指で鍵束をくるりと回す。オレはキドー、盗賊を生業にしている。監察官のでっぷりとした腰からかすめ取るなんぞ朝飯前だ。寝ていてもできるぜ。
「なあ、どう思う?」
「し、知るかっ」
 プルプル震えながら重い岩を運んでいるのは、グドルフ・ボイデル。山賊だ。
 腕の筋肉の張り具合、脚の筋肉の震え具合。とても演技とは思えねぇ。誰もグドルフがあの岩をクソ監督官のおつむにぶつけるとは思っちゃいねえはずだ。
 ……てか、本当に演技なんだろうな。
「お、おれさまを信じろ。信じる者は救われる。つーか、おめえ、さっきからサボってんじゃねーぞ、コラ」
「その通り。キドーよ、もはやシャイネンだろうがクリクソだろうが関係ない。生か、死か。それが問題だ」
「あー? 何いってんだオクト。頭、大丈夫か」
 頭に折れたツルハシの先をぶっさして、聖人めいた世迷言をぬかしたのはオクト・クラケーン。海賊だ。普段はこんな喋り方なんてしてねえ。ちと血が流れ過ぎたか。
 ここはどこかの海(しらん)に浮かぶ絶海の孤島(だと思う)。「ザ・ロック」と呼ばれる監獄島だ。クソッタレの監督官がそういってんだから、そうなんだろう。
 海の底から一転、気がつけば暗くて狭くて寒い穴の中で岩を掘らされていた。
 監獄島の周りは潮の流れが早く、水温も低く、人間が泳いで逃げ切ることは不可能(らしい)。そんな天然の要塞に俺たち『三賊同盟』が流れ着いたのは、なんとも皮肉なこった。
 今夜、その伝説に終止符を打ってやるぜ。
 オクトの生髭がぐにぐにと蠢き始めた。
「そろそろだな」
 オクトが細く笑むと同時に、薄汚れた鼠色のイヤな霧が洞窟の中にも忍び込んできた。鉄帝国の工場地帯の排煙を思わせる綿霧が、もうすぐ島全体を二重三重に包み込んでしまうだろう。
 その時が脱出のチャンスだ。
「おい、キドー。さっさと足の鎖を外せ」
 山賊が一本抜けた歯の隙間から殺した声を押し出して催促する。
 霧に身を沈めて二人の足かせを外したところへ、デブの監督官がやって来た。
「いまだ、やれ、グドルフ!」
 山賊が重い岩を頭の上に持ち上げると同時に、海賊は隠し持っていたダイナマイトに火をつけた。
 盗賊は?
 もちろん、一目散に逃げ出したさ。活路を開くために。



 *SS担当者:そうすけGM

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