イラスト詳細
寄り添う
寄り添う
イラストSS
「拙者はいつも遮那くんの傍にいます」
肩に感じる重みが増した。視線を向ければ何かを願うように額を肩に置いているルル家が見える。
「病める時も健やかな時も絶対に遮那くんを一人にはしません」
「ルル家……」
それは、この戦いで沢山の近しい者を失った遮那を気遣う言葉なのだろう。
ルル家が居なければ命を落としていた可能性もある。
否、自分では無くなっていた可能性と言えばいいだろうか。
遮那にとってルル家は背中を預けられる存在。大切な親友なのだ。
「そんな特別な毎日を、この先もずっとずっと、拙者と一緒に過ごして下さいね!」
初めて会ったときの事を思い出す。
――拙者と結婚してください! なんて冗談が懐かしい。
細い指を握り返し。
肩に乗る温もりを無くしたくないと切に願う。
「ああ、勿論だ。其方は私の大切な親友なのだから」
ルル家に贈るは健やかなる健康を祈るもの。
何時までも笑っていてほしいから――
「なあ、ルル家これを受け取ってくれるか」
萌黄の腕輪
美しい萌黄の石(ペリドット)があしらわれた細身の腕輪。いつまでも元気で居て欲しいから。願いが込められた御守。遮那からルル家へのシャイネンナハトのプレゼント。
※担当GM『もみじ』