イラストSS

　シャイネン・ナハトの街が楽しすぎて、ついつい買い込んでしまった荷物たちが、マリアの部屋のあちこちに置かれている。
　美味しそうなご馳走や、リボンのかかった箱や袋。
　いつもの部屋が、うきうきとした色彩に華やいでいる。

　そんな中、マリアは１つのプレゼントを、大切に両手に包み持った。
　１年のうちでも、特別な日であるシャイネン・ナハトだけれど、マリアにとって今日はそれよりももっと特別な日だ。

「ヴァリューシャ……これ……！　お誕生日のプレゼント！」

　純白の包みにリボンをかけたプレゼントを、マリアは笑顔で差し出した。
　箱の中身は、義手に取り付けられるように加工されたアクセサリーだ。
　持ち主を災厄から守ると伝わる貴重な橙色の宝石に、マリアの異能と白虎の加護を込めてある。まるで宝石が陽光を放つかのような細工のそれは、大切な人を守ってくれるようにとの願いをこめて作ったものだ。

「良かったら使っておくれ」

　大切な人の誕生日に、大切な人が無事であるようにと願って贈る守護の品。
　今年こうして一緒に祝えているように、来年も、その先も、ずっと笑顔でこの日を迎えられますように――。


　＊SS担当者：月舘ゆき乃GM