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「うう、バルガルさんにバクさんもお手伝いを―!」

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 ――輝かんばかりの、この夜に!
 がちゃり、とグラスがぶつかる音。湯気立てる温かな食事。沢山のお酒や飲み物の類。
 シャイネンナハトの夜、四人はバルガルの音頭の下に、ささやかな酒宴を楽しんでいた。
「おっしゃー! 食べるっすよ! あ、これ美味ぇっす!」
 ぱくり、とチキンにかぶり着く、リサ。眼は髪に隠れて見えないが、もぐもぐと動きつつも幸せそうに緩む口の端が、リサの感情を如実に表している。
 しっかりと味わってから、お酒で流し込む。はぁ、と幸せなため息がこぼれて、アルコールに頬が赤く染まる。
「ここで取り出すは赤ワイン! かーっ! こういう酒も中々イケるっすねー!」
「ちょ、ちょっとリサさん! 早くないです!?」
 と、早速ハイペースで食事を進めるリサに驚いたのは、テルルだ。テルルは配膳を行っていたわけだが、持ってきた料理は次々とリサの胃に収まってしまって、中々休まる暇がない。
「うう、バルガルさんにバクさんもお手伝いを―!」
 忙しさに、目の端に涙を浮かべながら懇願するテルル――バクは苦笑しつつ、答えた。
「……そうであるな。テルル殿、手伝おうか。バルガル殿も、力を貸してはくれぬか」
 その言葉に、バルガルはふぅ、と目を細めた。
「あ、もうオフモードなので働きたくないですね」
 ずず、とコーヒーをすする。普段の、見て取れる疲れ切った様子は鳴りを潜め、今は幸福に休息に身を委ねているように見えた。
「そう言うな、少しばかり皿を並べるだけであるぞ」
「そうっすよ! あ、このお皿、空っす! お代わりお願いするっすよ!」
 そんな様子を気にも留めず、次から次へと皿を空にする、リサの勢いは止まらない。
 バルガルははぁ、とため息をつく。
「仕方ありませんね……少しだけですよ」
 そう言って、バルガルは重い腰をあげるのだった。

 ようやく皿を並び終えて、今度は全員が席に着く。
「しかし……いや、こういう時間もまた、良き物ですねぇ」
 バルガルが、ほう、とリラックスのため息をつきながら、そう言った。
「儂の知る教えとは違う行事であれど、このようなゆったりとした時間もまた良い物であろう」
 バクは頷いた。四人での食事。特別な夜に過ごす、穏やかな時間。
 普段はせわしない生活を送るイレギュラーズである、たまにはこうして、のんびりと過ごすのも、悪くない。
「また来年も、こうしてみんなでそろって食事ができれば良いですねぇ」
 テルルの言葉に、
「そうっすね! シャイネンナハト限定とは言わず、また集まるっすよ!」
 リサがそう言うので、皆は笑って頷くのであった。


 *SS担当者:洗井落雲GM

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