イラストSS

　ちゃぷん、とバスタブの湯が音を立てて波打った。
「暖かい」
　ほう、とため息を吐いたアイリスは背後のミーナを振り返った。
　湯に髪が浸からぬようにとまとめ上げた為か、いつもと違う雰囲気に不意を突かれた心臓がとくんと跳ねた。
「こうして二人でくっついていると、存外暖かいものだな」
　アイリスのお腹に手を回して抱きかかえた彼女は、壊れ物を扱うように優しくアイリスに触れてくれる。
　甘えるように体を預けたアイリスを見ているとむくむくと悪戯心が芽生えてくる。
　不意に後ろに倒れ込めば、もたれかかっていたアイリスは「きゃっ」と悲鳴を上げてバランスを崩した。
　ずり上がった手がアイリスの豊かな膨らみを包み込む。
　ミーナの小さな手では隠しきれないほど大きくて、ふんわりと柔らかい。
　触れた感触が心地好くて指を沈み込ませると、甘く上擦った声で囀る声が降ってきた。
「本当に、アイリスの方があったかいよな……」
「もうっ」
　しょうが無い人、と窘める言葉だが、くすくすと笑うアイリスからは怒っている気配を感じない。
　熱に火照った体を寄せ合いながら、絡み合うように戯れて、甘い時間は過ぎていった。


　＊SS担当者：水平彼方GM