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さァて、次はシャイネンだな
さァて、次はシャイネンだな
イラストSS
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ㅤ──イイ夜だ。
ㅤ今宵広がるは一面の銀世界。雪降る夜にはやはり雪見酒だろう。
ㅤ白萩は窓越しに映る雪を眺め、赤い盃を片手に酒盛りをしていた。
ㅤはらりはらりと舞い落ちる雪は、儚くありながらも、ひとたび地に落ちればどっしりとその存在を見せつけるという二面性を持つ。
ㅤそれがどうにも風流に感じて、白萩はニヤリと頬を緩ませた。
「こんな夜も、たまにゃあ悪かねェな」
ㅤ独り言ちる白萩。
ㅤそのはだけた和装からは鍛えられた肉体が見える。
ㅤ誰でもない彼からその素性を伺うことはできないが、その肉体は、自己が日々鍛錬を繰り返してきたという事実を如実に語っていた。
ㅤいい具合に酔いが回る。
ㅤいつしか、しんしんと降り積もる雪は、部屋の灯りに反射してきらきらと輝いていた。
ㅤこりゃあいいとばかりに酒をあおる。
ㅤすかさず雪景色を目に流し込む。それはまさに酒の苦味を洗い流すように。
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ㅤ何時しか眠りについていたのか、瞼をゆっくり開くと、陽の光が眼を照らした。
ㅤ大きく欠伸をした後、白萩は気もそぞろに立ち上がり、用意してあったサンタ服に着替える。
「さぁて、次はシャイネンだな」
ㅤ今夜の忙しさを思い、白萩は苦笑をひとつ零した。
*SS担当者:七草大葉NM