イラストSS

「ようこそ、私の愛するお嫁さま達」
　天之空・ミーナ(p3p005003)は、恭しく扉を開き、ドレスを身にまとった美しい女性たちを迎える。
　ミーナ自身もまた、真紅のドレスにその身を包む。
「輝かんばかりのこの夜に、顔が見られてとても嬉しい」
「外は寒かった？　元気そうね。みんなと会えてうれしいわ」
　一足早くやってきていたレイリ―＝シュタイン(p3p007270)は、来訪者からコートを預かった。髪の色と合わせた淡い色調のドレスは、レイリーの美しさをよく引き出している。
「お招きいただき、光栄です」
　アリシア・アンジェ・ネイリヴォーム(p3p000669)はゆったりとした紫のロングドレスを揺らして挨拶をする。
　燃えるような髪とその双眸が、暖炉の明かりを照らして麗しくきらめいた。
「えーっと、……その」
　一方で、クリム・T・マスクヴェール(p3p001831)は少々居心地が悪そうだ。
　男性的な衣装であれば、そのへんの男性貴族よりもよほど上手に着こなしてしまえるだろう。しかし、今日、クリムが身を包んでいるのは、赤と黒のゴシックロリータのドレスだ。店員に勧められたものだった。しかし、百戦錬磨の店員の見立てが外れるはずもなく。その衣装は、クリムによく似合っていた。
「そう遠慮せず。もっと近くおいで」
　ミーナは耳元に身を寄せ、ささやいた。
「とても似合っているよ、クリム。とても可愛らしい」
「ごきげんよう」
「アイリス、待っていたわ」
　小さなお土産を持ったアイリス・アニェラ・クラリッサ(p3p002159)がやってきた。
「わあ、お二人とも、とても素敵なドレスですね。！　……クリム？　とても可愛いです」
　意見が一致したことに、「ほら」、とミーナがほほ笑んだ。
「冷えてしまっているね。暖炉のそばにおいで」
　ミーナはがアイリスの細い手足をとる。
「お腹がすいていない？　暖かい料理があるわ」
　ぱあ、と顔を輝かせるアイリス。
「とっても美味しいです！」
「それはよかった。アイリスが美味しいものを食べているときの顔が、私はとても好きなんだ
。空色のドレスも、うん。濡羽色の髪に良く似合う」
　きらきらと輝く虹色の瞳。
　パーティーの主人は元人間の元堕天使の元死神の一般人。
　そばには、二つの魂を持つ吸血鬼と、吸血鬼と龍の血を持つものたち。
（わたしはこの光景を……守りたい）
「不倒」の騎士は、そう誓い、いとおしいその光景を見ているのだった。


　＊SS担当者：布川GM