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イラスト詳細

炎堂 焔の蒼那による3人ピンナップクリスマス2020(横)

作者 蒼那
人物 炎堂 焔
つづり
そそぎ
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ)
納品日 2020年12月24日

7  

イラストSS

「これが海向こうのお祭り?」
「そう、シャイネンナハト! 挨拶は『輝かんばかりのこの夜に』!」
「……かがやかんばかりのこのよるに」
「言うの、それ?」
 満面の笑みで答える焔につづりが応じ、そそぎがぼそりと呟いた。
「挨拶は大切だから。ね、そそぎ」
「……輝かんばかりのこの夜に」
 そそぎはなんというか、素直じゃないが、素直な子である。
 平和になったばかりのカムイグラで双子巫女と呼ばれ、なにかと忙しい二人ではあるが、半神半人の巫女である焔としては親近感もたっぷりとあった。
 なにかと縁もあるのだし、せっかくだから仲良くしたいと思ったのだ。
 そんなつづりとそそぎの二人は、たびたび外の世界の文化に興味を示す。
 ならばと焔は早速、空いた和室を借りて飾り付けてみたのだ。
「という訳で、とにかく皆でお祝いしたり贈り物をしたりする日なんだよ!」
 ちっちゃなホームパーティーのはじまりだ。

「……これは?」
「これはサンタ帽! シャイネンナハトじゃ、こんな服の上にかぶるんだよ、はい!」
「……ん。そそぎ、見て。かわいい?」
「……か、かわいい、けど」
「それじゃそそぎちゃんも、はい」
「……ん」
 つづりの反応は薄めだが、単に性格的なもので、かなり素直に楽しんでくれているのが分かる。
 人見知りが激しいそそぎの反応は、ちょっと素直じゃないが、まんざらでもなさそうで嬉しい。
「というわけで、つづりちゃんとそそぎちゃんにもプレゼントを用意してみたんだよ!」
「ありがとう」
「……ありがと、あけていいの?」
「うん、あけてあけて!」
 現れたのは菖蒲の花の飾りがついた、可愛らしいかんざしだった。

「実は2人の分だけじゃなくてボクの分もあるから3人でお揃いなんだ。
 これから仲良くしたいなって思って用意したものだから、使ってくれると嬉しいな」
 微笑んだつづりが「それじゃあ、貸して」と、焔が手に持っていたかんざしを、焔の髪にそっととめた。
「焔は、そそぎに」
「うん!」
 頬を膨らませながら微かに俯いたそそぎの髪へ、焔もそっとかんざしをとめる。
「……そそぎ、つけて」
「ん」
 最後にそそぎがつづりへ。
「これでおそろい。そそぎは、嫌?」
「嫌じゃ、ない」
 喜んでくれてなによりだ。

 それからもう一つ大事なのは――
「鶏とか七面鳥とか、御馳走を食べる文化もあって……」
「!」
 そそぎが顔をあげる。
 あ、大丈夫そう。
 なんか妙に嬉しそうなオーラが漂っているではないか。
「それじゃあさっそく、食べようよ!」
 こんなこともあろうかと。なんて。
 さあ、第二幕のはじまりだ。

*SS担当者:pipi

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