イラストSS

「正純ちゃん、この格好とこのポーズって……本当にカムイグラのためなのかなぁ？」
「大丈夫ですよ焔さん、海洋の商人さんが利益にならないことをするとは思えません」
　シャイネンナハトを間近に控え、正純と焔は海洋商人の手引で「カムイグラにシャイネンナハトを広めるため」のポスター撮影の仕事を引き受けていた。それ自体はいい。有意義だ。
　だが、蓋を開けたらどうだろう？
　真っ白なシーツに（適度に動いた後のような）皺があり、2人はミニスカサンタに巫女服を折衷したような衣装に袖を通していた。首に巻かれているリボンはどこかメッセージ性が感じられるが気の所為だろう。シーツに散りばめられた小物は、確かにイベント性を強調している。
　だが、それよりなにより。
「この格好……本当に宣伝になるのかな？」
「星の導きのままに……としか。多分、なると思います……？」
　2人のポージングが、向かい合って指を絡め合い、膝を重ね合う構図になっているのだ。
　肩を大胆に露出させた格好に女性同士の寄り添う姿。商業的には大正解だが、カムイグラ的にセーフなのか？
「はい、2人とも笑って笑って！　あちらの国にもきちんと見せないとね！」
（（本当に、そのためだけなのかなぁ……？））
　仕事には真摯に、しかし正当性についてはどこまでも疑問符が付きまとう……撮影（よる）はまだ、始まったばかりだ。


　＊SS担当者：ふみのGM