イラストSS

●トゥデイ・トゥモロー
「良く会うな」
「レオン君に教えて貰いましたから」
「運命かな？」
「お生憎様。明後日は先約があるの。
　第一、聖夜にレオン君を横取りしたら可愛い子達に恨まれちゃうわよ」
　トゥデイ・トゥモローはメフ・メフィート切っての高級バー。
　会員制のこのバーは一見が入店出来るような風情ではないが、アーリア・スピリッツ(p3p004400)は『ある切っ掛け』からここに顔を出すようになっていた。
　目を閉じてグラスを磨くマスターにも気安いものだ。元はレオン・ドナーツ・バルトロメイ(p3n000002)の『お連れ様』だったに違いないのだが、すっかり顔パスが通じるようになっている。
「何だ。今度こそ落とせるかと思ったのに」
「思っても居ないくせに良く言うわよ」
「『お仕置き』がかなり怖いと見える」
「怖い。怖いけど、もう！　そういう事じゃなくて！」
　抗議したアーリアにレオンはくっくっと笑いを零した。
　大人びた彼女の子供っぽさが見えるシーンはそうはない。
　そういう意味でレオンは特別だ。惚れた腫れたでなくても特別だ。
「――もう！」
　やはりペースを奪う事は出来ず、アーリアは頬を膨らめたが……それが心地良くないと言えば嘘になった。
（……ああ、もう。ホント駄目だわ、私。ホント駄目……）