イラストSS

「暖かい…猫達が可愛くてぬくぬくしている……輝かんばかりのねこの夜に、こうやってぬくぬくできるのは幸せだなぁ……」
　シャイネン・ナハトの夜。幻想の邸宅で煌々と燃え上がる暖炉の前では、ヨゾラが椅子に深く腰掛けていた。
　フォーマルな格好ながらもリラックスした彼の膝下、ショールをかけた上には白猫と黒猫が鎮座している。
　彼の飼い猫である2匹は、お互いから離れようとせずしっかりと抱き合いゴロゴロと寝息を立てている。
「にゃおーぅ……」
「うなぁ」
　そして、1人と2匹の周りにはどこから入ってきたのやら、暖を求めて入ってきた猫たちが欠伸をしたり丸まって寝たりして過ごしている。
　決して、ヨゾラに懐いているわけではない。ただ、自分たちのすごしやすい場所に行き着いただけだ。
「幸せだなぁ……」
　だが、彼はその点に頓着しない。猫がそこにいて、自分がそこにいることを拒絶されない。
　まさに理想の『輝かんばかりのねこの夜（にゃいねん・にゃはと）』を過ごせているという事実こそが彼の喜び。
　暖炉にかけられた靴下に届けられるプレゼントは、果たして彼のものか、はたまた猫たちへか。
　どちらに転んでも、きっと彼にとって幸せな冬の朝を迎えられることだろう――。


　＊SS担当者：ふみのGM