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光の中を飛ぶ
光の中を飛ぶ
イラストSS
眼下に広がる景色は夜だからこその煌びやかさを表していた。
金色に光る灯り達。中には白なども見えるが、僅かな別色がアクセントとなっている。
溢れんばかりの光の集合体は眩くて、けれどどこか温かさを感じさせてくれていた。
友人であるカルウェットをお姫様抱っこして空中へ連れてきたLoveは、彼女に「綺麗なの」と話しかけた。
「本当に、綺麗」
同意する彼女の瞳が輝いているのは、夜景に照らされているだけではないだろう。
Loveの姿もまた、光を受けて少しだけ反射したような色をしている。
空中を飛ぶ二人を冷たい風が撫でていく。
「寒くない?」
「大丈夫だ」
Loveの質問に対して、カルウェットは笑顔で返す。安堵するLove。
彼女の首にはカルウェットの左腕がかかっている。その腕が落ちないように自分の首の位置に気をつけながら、ゆっくりと夜の空を飛んでいく。
カルウェットは友人の心遣いを感じ取りながら、眼下の光景を見つめる。
光を見下ろすという不思議な経験を特別に感じるのは、この時期だからだろうか。
「Love」
「?」
「連れてきてくれて、ありがと」
友人のお礼の言葉に、Loveは微笑みで返す。
夜空の散歩を、もう少しだけ。
*SS担当者:古里兎 握GM