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イラスト詳細

美城・誠二の奏多によるおまけイラスト

作者 奏多
人物 美城・誠二
シュテルン
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2020年12月24日

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イラストSS

 粉雪舞う天義の街はいつにも増して賑わっていた。
 オーナメントをたくさんつけたツリー。積み上げたプレゼントBOX。
 赤と緑、白と金の色彩が、心を浮き立たせる。

 可愛いパッケージの焼き菓子。
 シャイネン・ナハトにちなんだ飾り物。
 その1つ1つをシュテルンは指さして尋ねる。
「あれ、なに?」

 なんでも珍しがるのはシュテルンの性格もあるだろうけれど、なにより彼女は長い間なにも見たことがなかったのだ。
 5歳のときから、ただひたすら歌だけに向かい合い、外の世界を見られなかった。だから、何を見ても物珍しい。
 誠二はそんなシュテルンの頭に手をやり、優しく撫でた。

「ん?」
 シュテルンは誠二を見上げ、視線が合うとにっこりと笑う。
 ひとかけらの邪気もない笑顔が、哀しくなるほどに愛しい。

「ね、あれ、きれい」
 シュテルンは誠二の腕に腕を絡めると、白を基調にした大きなツリーを指した。目をきらきらさせているシュテルンといると、これまでなんとなく通り過ぎていたものが、新鮮に感じられる。
「近くに行ってみようか」
「うん!」

 どこにでも行こう。なんでも見せよう。
 世界はこんなにも広くて、見るものに溢れているのだから――。


 *SS担当者:月舘ゆき乃GM

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