PandoraPartyProject

イラスト詳細

弟子へのプレゼント

作者 セラ
人物 ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル
リディア・T・レオンハート
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ)
登録されているアルバム
納品日 2020年12月24日

7  

イラストSS

 クリスマスムード一色のブティックに2人の師弟が入店する。

「し、師匠? ここって高くないんですか?」
「構わん構わん! 日頃から頑張っているリディアに私からのプレゼントだ!」

 弟子の方は周囲に飾られた服を見て少々委縮気味。
 師匠の方はこれから弟子を着飾れるとテンションが上がり過ぎて暴走気味。
 店員たちもちょっと引き気味で近づいて来ない。

 そもそも今現在のリディアの服装も可愛らしい。彼女の魅力を十二分に引き出しているがブレンダはまだ気に食わないらしい。というか自分ができない格好をリディアにさせたいだけ、というのもある。多分そう。

「こっちか? これもいいな……」

 次々と服をリディアに手渡すブレンダ。もはや値札なんてものは見ていない。いくらバリバリイレギュラーズとして働いていると言ってもポンポン買えるレベルではないはずなのだがそんなことはお構いなしらしい。
 カゴに放り込まれていく洋服たちにリディアは戦慄するが対照的にブレンダの顔は綻んでいく。

「……師匠?」
「ああ、すまん。さぁ、試着してみてくれ! 好きなものを選ぶといい!」

 駄目だこの人話聞いてない。
 しかしいつもの鍛錬でもサラっとよくわからない事を言う人だからこれも納得。剣の腕は立つし頼りにはなるけどどこか少女のように抜けている。なんというかちぐはぐな人だとリディアは思っている。
 ただ、悪い人ではない。それだけは絶対的に確信していた。
 でもさも当たり前のように常人に不可能な挙動を強いるのはやめて欲しいとも思っていた。

「はい、じゃあちょっと試着してくるので待っていてくださいね」
「うむ!」

 試着室に入っていく弟子の背中を眺めながらブレンダは思う。
 どうしてあんなにいい子が自分に弟子入りなどしたのだろうか。彼女の考えていることはわからない。彼女以外が考えていることもわからないのだが。
 だが、それでも――彼女が自分に頼ってくれるのならば全力を尽くそう。そう決めた。
 それはそれとしてかわいい子を着飾るのも全力でやる。


 クリスマスもまだ始まったばかり。試着室のカーテンを挟み師匠と弟子の思惑が交錯する。

「師匠!?」

 そしてふと見た値札に書いてある0の数を見てリディアは素っ頓狂な声を上げた……。


 *SS担当者:灰色幽霊NM

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