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グリーフ・ロスのあやひによるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
グリーフ・ロスのあやひによるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
イラストSS
常春の花畑。
青と赤のアネモネが咲き乱れる。
白い『揺り籠』はグリーフが出会ったアルベド達が眠る場所。
夜空には雪みたいに降り注ぐ星屑があった。
誰もが戦いを止めるシャイネンナハトの御伽噺。聖女の切なる願い。
それを祝福するように星々は夜空を駆けて行く。
グリーフが空を見上げると、ふわりと、一片の雪が舞い落ちる。
常春の花畑には降らない雪は手の中で消えた。
それは、あの日であった、生まれるはずの無い彼等を思い起こさせる。
歪んだ錬金術師の思惑が交錯する中、生み出され戦いを余儀なくされた。
真っ白の子供達。
そして、儚く消えて行った白い彼等に似ていると思ったのだ。
もしかしたら、彼等が会いに来たのかも知れない。
独りぼっちのグリーフを笑いに来たのかも知れない。
でも。それでもいい。
それで彼等が楽しくなるのなら、笑ってくれるのなら。
グリーフはいくらでも道化となろう。
ここで待って居るだけの人形でも構わない。
会いに来てくれるのなら。
「来年も、その先もまた、ここで待っていますから」
この声が届くかも分からないけれど。
けれど、きっと届くと信じて。
グリーフは聖なる夜に祈りを捧げた。
*SS担当者:桜田ポーチュラカGM