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リンディス=クァドラータのよはちによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
リンディス=クァドラータのよはちによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
輝かんばかりの夜に、穏やかな笑い声が聞こえる。
リンディスが最近購入した本の一つが、とても面白いのだと聞いたのはいつだっただろうか。
二人は大きなその本を共に支えながら、ゆっくりと時間をかけて読み進めていた。
一度読んだことのあるリンディスにとっては、ころころと変わるマルクの表情は見ていて面白いものだ。
思わずじーんと来てしまう主人公の葛藤や、様々な強敵たちとの格闘は、戦っていた自分自身にも重ねてしまうことがあるから。
「わぁ、すごいや……主人公たちはこうやって、困難を乗り越えたんだね」
「ふふ、そうですね。でも、まだ面白いところはたっくさんありますから、やっぱり読み進めてもらうのがいいかなって思います」
「だね。やっぱり本は面白いし、久々に時間を取ってする読書は楽しいよ」
マルクの大きな手が本を支えなおした。リンディスは小さな手で膝のブランケットをかけ直す。
「この物語の続きは、ハッピーエンドなのかな」
「どうでしょう。バッドエンドかもしれません」
それでも。
主人公が進むことを知っている。
何故ならば、自分たちも。困難を前にしても、退くことはなかったから。
*SS担当者:染NM