イラスト詳細
シラスのくらいによるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
シラスのくらいによるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
イラストSS
●夢の前に
木造の家の、自室の一角で。
「えーと、こうか……?」
ドレッサーの鏡に自分を映して。慣れない服に袖を通して丁寧に着込んでいく。シラスは出掛けるための準備をしている。これから大切な人と舞踏会に行くから、変な格好はできないなと気合いを入れて。
彼女が見たらどんな反応をするのだろうかと考えて胸を高鳴らせ。
「これでよし、と」
襟とループタイを整え、一通りチェックを済ませて終わって。
そして大切なあの子がどんな格好をしてくるのかと想像する。
可愛らしいものだろうか、綺麗な雰囲気を出してくるのだろうかと想いを馳せる。
「楽しみだな……」
そう呟いて視線を横に向ければ、大切な人へのプレゼント。可愛らしい赤と白に彩られた紙に包まれた小さな箱。
服もそうだが、これを渡したらどんな反応をするのだろうかと考える。
きっと喜んでくれると思っていても。反応まではまったく予想できなくて。ふわふわと地に足がついてないような気分になる。
「と、いけね」
想像し始めると止まらず、待ち合わせの時間を忘れてしまいそうだった。
上着を羽織り、プレゼントを持って。慌てて外へ駆け出す。
空からは、ちらほらと雪が舞っていた。
*SS担当者:灯火NM