イラストSS

　夜更け頃、少女の部屋に灯りがついている。
　それはソアの部屋でパステルピンクでまとめられた、女の子らしく上品な内装だった。
　その部屋には今、ボードゲームに興じる影がふたつ、あった。
　ソアとマルベートの仲良しふたりだ。種族こそ違うが依頼を共にこなしたりと仲睦まじい姉妹みたいな関係である。
　ふたりは夕飯もお風呂を済ませてゲームで過ごしていた。
　普段なら夜遅くまで起きていると起こられるが、シャイネン・ナハトの夜は特別だ。
「あ、また借金だ！」
　ソアが二度目の借金を背負えばマルベートが可笑しそうに笑いながら、白と黒のそれを転がした。
「おっと、一本後退。しかし今日のソアはダイスに嫌われてるね」
「むぅ……」
　頬を膨らませむくれるソア。けれどマルベートがその髪を手櫛でとかしてやれば、すぐに笑って甘える。
「ゴールしたら、寝よっか。ねーね」
「そうだな。さすがに夜更かし過ぎた」
　そうしてふたりでゴールを決めると、同じベッドに潜り込んでぎゅっと抱きしめ合う。
　額を合わせて笑っては、小さく囁く。
「おやすみなさい」
「ああ、一緒に良い夢を」


　＊SS担当者：桜蝶京嵐NM