イラスト詳細
カタラァナ=コン=モスカの茶零四によるSS用イラスト
カタラァナ=コン=モスカの茶零四によるSS用イラスト
イラストSS
「――星を見に行きましょう、カタラァナ」
零した吐息が白く染まる中、イーリンは隣にいるカタラァナへと言葉を紡ぐ。
見上げた空には千を超える星々の輝き――だからふと思いついたのだ。
彼女と星の近くへ往きたいと。
「星を? それは素敵だね、いーちゃん。ところで、具体的にはどこへ?」
「ふふ。どこでもいいわ……星が見えるところなら。
――ああでも、いっとう綺麗に見えるところがいいわね。例えばそう」
山の頂とか。
あの輝きの暖かさを知れる場所へ。手を伸ばせば掴めそうな場所へ。
唯一つ――その瞬きを共有する為だけに。
歩く。
冬の只中を彼女らは歩くのだ。これが親愛と愛情の発露の形。
ただ、話したい。それだけの為に、しかし苦も無く足を動かせる。
「さぁ――焚火もあったまってきた。ああ、今年ももうすぐ終わるけれど」
「ええ……また来年も来ましょうね」
――カタラァナ。
紡ぐ言葉と共に暖を囲んで天を眺める。
山の頂にて紡がれるは言葉と音色。カタラァナの弾く鍵盤の色が流れて。
ただ二人だけの時間が過ぎていく。
空の輝きを眺めながら
きっと二人は忘れないだろう。
「あ――流れ星」
空に瞬いた一筋の軌跡を。
二人で眺めた、二人だけの記憶を。
*当SSはイーリン・ジョーンズ(p3p000854)さん・カタラァナ=コン=モスカ(p3p004390)さんのクリスマス2人ピンナップのSSとなります。通常とは異なる納品の関係上、名前の表示が1名だけになっております。