イラスト詳細
監獄の島にて、朽ち薔薇の手解きを。
監獄の島にて、朽ち薔薇の手解きを。
イラストSS
「物好きも居たもんだねぇ。まあ、いいさ。対価はしっかりと頂いたからね」
薔薇の紋章を刻み込んだコインを指先で遊ばせた監獄塔の大輪、ローザミスティカは値踏みするかの様に極楽院 ことほぎ(p3p002087)のかんばせをまじまじと見詰めた。
天鵞絨の絨毯の敷かれた看守長の執務室に訪れることもことほぎにとっては日常茶飯事で或る。
故に、此の地で特異的に流通、使用されるコインをも使用して彼女に『おねだり』をしたわけだが――
「で、何を教えて欲しいんだい? 貴族の嫡男に取り入る方法かい? それとも、この美貌の保ち方か」
「ローザミスティカ様程の権力者ってんなら、『魔女』にとっての『とっておき』だって知ってんだろ?
オレが出せる対価と手札は全て出したぜ。薔薇のコインに『極楽園』での支援活動。
ま、ローレットとフィッツバルディ(えらいひと)に怒られない程度ってのが条件だけどさァ」
宵色の髪を揺らして唇で三日月を作ったことほぎにローザミスティカは予想外だというように飴色の眸を丸くした。
絶世の美貌に乗せられた幼い表情にことほぎは「その表情(カオ)が見れただけでもうけモンってか?」と小さく笑う。
「いや――いや、そうか。あたしが教えるんだねェ。構わしないさ。
さて、と。この朽ち薔薇の『監獄』でちょっと遊びに行こうじゃないか」
秘密主義の閉鎖主義。そんな場所で――ことほぎの魔術は花開く。
挿絵情報
- 公認設定『朽ち薔薇の教え』