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イラスト詳細

スティア・エイル・ヴァークライトのゆゆによる2人ピンナップクリスマス2019(横)

作者 ゆゆ
人物 スティア・エイル・ヴァークライト
イル・フロッタ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2019
納品日 2019年12月24日

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イラストSS

 輝かんばかりのこの夜に。天義でもそれを祝う催しは行われている。
 パーティーへと行こうと誘たのは天義貴族の一門、ヴァークライト家の『生き残り』であるスティアであった。
 銀の髪を揺らし、紫苑のドレスに身を包んだ彼女の誘いに騎士見習い、イルはきょとりとした様子で彼女を見る。
「わ、私か?」
「うんうん。イルちゃんがいいならしっかりとエスコートするからね!」
「……あ、よ、宜しくたのむ。その……至らぬところも多いかもだが」
 緊張する彼女にスティアはドレスをセレクトし化粧を施した。
 喧騒のパーティー会場の中で、やはり注目されるのはヴァークライト家を再建することとなる跡取り娘のスティアだ。にんまりと微笑み穏やかな気持ちにさせるその『贈り物』の効果も相まって、周囲は穏やかさに包まれているがスティアの疲労はイルが見ても分かる。
(貴族とは大変なのだな……)
 ぼんやりと眺めるイルに一礼を終えて戻ってきたスティアが「お待たせ」と微笑んだ。
「大変だな?」
「ん? んー……そうだね。けど、貴族だもん。頑張らなきゃ」
「うん。スティア、私も人が沢山で少し疲れてしまったからちょっと休憩しないか?」
 端のベンチに腰かけてのんびりしようと微笑んだイルにスティアは首を傾げて頷いた。
 本当は少し疲労の色が見える彼女を気遣っての事だった。その優しさに小さく笑ってスティアはそれじゃ休憩しようかとベンチに腰掛ける。
 それから――ゆっくりと眠りの中へと落ちていく。イルは小さく笑ってからパーティー会場を眺めた。
(これから復興に向かうのか……スティアも、みんな、とても大変なんだろうな……。私が、支えないと)

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