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フルールとくりぱ!(煙草吸わなかった。偉くない?)
フルールとくりぱ!(煙草吸わなかった。偉くない?)
イラストSS
今日は煙草の煙は揺らめかない。
12月――シャイネンナハトの日。夜も深くなった頃にフルールと凪は共に在った。
部屋の中で彩るは聖夜の為の数々。
ツリーにキチン、中央にはケーキを用意して。
そしてとびっきりのワイン……ではなくブドウジュースを。
「わぁ――素敵ね! 色々揃えて、こんなに……!」
「ああそうでしょ? とびっきりを用意したつもりだからねぇ」
目を輝かせるフルール。なぜワインではなくブドウジュースなのかと言えば、彼女の為で。
彼女はまだ未成年だ。アルコールを飲ます訳にはいかず――と、同時に。
そうであるならばと凪はいつも手にしている筈の煙草を、その指で弄んでいない。
場所と時ぐらいは弁えるものだ。普段であれば手放さぬ程に共に在ると自認する程だが。
「……まぁこの一時ぐらいはね」
今宵。この瞬間。
フルールと共に在る時ぐらい――恋人は煙でなくて良いのだと。
シャイネンナハトのパーティなのだ。存分に彼女と堪能しよう。
「ね、ね。火を消しても大丈夫かしら? もういいかしら?」
待ちきれぬ様子のフルール。中央のケーキ、立つ四本の小さき火を前に心躍る様子を隠せず。
今か今かと満面の笑み。
――時は過ぎる。幸福な時は、想う程に早く。
だからこそ愛おしい。二人で過ごす、この一時が――
※担当『茶零四』