イラストSS

　今、この部屋の状況を他人が見たら、どう思うだろうか。
　十中八九、┌（┌　＾o＾）┐←こういう生物が頭を過ぎったり、意味も無く『アーッ！』と叫ぶかも知れない。
　そう誰がどう見たって事後なのだ。男が二人全裸と半裸でベッドにいれば、それはもうその筋の乙女達が喜ぶ事後であるのだ。
　本来であれば既成事実なネタとしてこのまま方々に誤解させたままにしたいところだが、二人の名誉の為に真実を記そう。
　カイト・Ｃ・ロストレインとアラン・アークライト。二人はゲームに興じていたのだ。対戦物のゲームだ。余興まじりに優劣をつけるには丁度良いものだった。
　しかしこの二人、ただゲームで決着をつけるのだけでは満足しなかった。
　追加された余計なルール。それは負けたら一枚ずつ服を脱ぐという、男二人でやったら地獄絵図間違い無しの悪魔のルールだったのだ……。
「うっうっ、なんでこうなったんだ。
　もう少しで勝てるところだったのに最早羽織るものがない、ていうか寒い」
「はっはっは！　ザマァねェな！
　俺に挑んで勝とうなんざ百年早ぇーんだよ！」
　結果として、半裸のアランがカイトの服を一枚残らず剥ぎ取って、勝利を掴んだ。まるで乙女のように布団に包まり涙を流すカイト、憐れなり。
　勝利の栄光を掴んだアランが、髪をかき上げながら吐息を漏らす。
　シャイネンナハトの夜は明け、朝焼けが紫煙のように天井に昇っていく吐息を照らしていた。

※担当『澤見夜行』