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アレクシア・アトリー・アバークロンビーのHiyによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
アレクシア・アトリー・アバークロンビーのHiyによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
お鍋の蓋を開いたら、ほこほこと立ちのぼる白い湯気。
食欲をそそる匂いが部屋いっぱいに広がって、柔らかくほぐれた牛肉と、汁気をたっぷり含んだお野菜が、スープの水面に顔を出す。
「まぁ! なんて素敵な匂い!」
ボウルを抱えて生クリームを泡立てていた御天道・タント(p3p006204)も、これには思わず作業の手を止めた。唇に寄せられたお猪口をすすり、頬をとろっと綻ばせる。
「アレクシア様のお料理……幸せの味がしますわね!」
「本当に? わーい、よかった!」
彼女の感想に、ドキドキしながら味見を促していたアレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)も、つられて唇に弧を描いた。
スープは味付けに個人差が出やすい一品だ。普段から自分が作る物が薄味になりがちだと気づいたのは、深緑の家から出た後の話で。
輝かんばかりのこの特別な日に、振舞うご馳走を作るなら……食べてもらう人が、笑顔になる味に近づけたい!
「アレクシア様! これで如何ですかしらー! 上手く行ったと思いますわよ!!」
「うん、とってもいい感じだよタント君! 次はそれを絞り袋に入れて……」
「盛り付けですわね! むむむ、責任重大ですわ」
太陽の光が差し込む調理場で、楽しみながら料理を作る乙女達。
隠し味はもちろん、2人の笑顔と――。
「先輩、喜んでくださいますかしらー……」
大切な人に贈る、この気持ち!
※担当『芳董』