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華やぐ街と永久の誓い
華やぐ街と永久の誓い
イラストSS
シャイネン・ナハトの賑わいは、魔剣と契約者にとっては騒々しすぎた。まるで人目を避けるかのように、夜の街並みを歩く影。
先を往くのは女のほうだ。そしてそれが自然であるかのように、男も剣と鞘のように女につき従ってゆく。
ふと……丘の上で女が足を止めた。それからふり返った視線を男が追うと、聖夜を祝う灯りの数々が街を彩っていた。きっと他に誰も知らないだろう、イルミネーションが一番美しく見える場所。
二人はただより添って、華やぐ街を眺めつづける。そのまま――どれだけ経っただろうか? ふと、男が口に出す。
「……来年もまた、同様にこれが見れるのだろうか……な?」
いいや違った。今は疑問なんて必要がない。改めて願望を口にする。
「また、来年も一緒に見たいな」
「来年──否、永久に共に在りたい。そう言う契約だったけど――」
女は返し――次は、彼女が訊く番だ。
「――シグの願いは?」
男は、答えを返さなかった。代わりに女に返したものは、熱い、ひとつの不意打ちの口付け。
女は目を丸くして。それから困ったような表情を見せた。
けれども……それも、一瞬のことだ。彼女はそっと目を閉じて――やがて、彼女からも彼の唇に、そっと己の唇を重ねた。
※担当『るう』