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アベルの葛飾 ぱちによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
アベルの葛飾 ぱちによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
石畳の上を軽快な足音が響く。
今宵はシャイネン・ナハト。トナカイの着ぐるみを纏うアベル(p3p003719)は、その背にニル(p3p007509)をおぶって寝静まった聖夜の街を歩いていた。
プレゼントを配る二人の姿はなんとも言えない可愛らしい装いだ。
しかしトナカイであるアベルはソリを引いているわけではないし、ニルも優しいおじいさんのようなふっくらとした姿ではない。
チリンチリン。
アベルが歩みを進める度に首のベルが鳴り響く。
チリンチリン。
幾許かした後、空から雪が降りはじめた。白い吐息が周囲を漂う。
「アベル。今宵は冷えるだろうから早く配り終えてしまうかぇ?」
「了解しました。可愛いサンタさんの言うことなんですから、早く叶えないといけませんね?」
アベルの背から身を乗り出して楽しげに笑うニルの背に揺れるのは、大きな白い袋。まだまだプレゼントが詰まっている。
小さなニルの身体を軽々とおぶったアベルは、行きますよと呟くと笑みを浮かべて足を進めた。
サンタの葡萄酒色混じりの銀髪が揺れる。
輝かんばかりのこの夜に。
駆け出したトナカイとサンタの姿を見たものは、雪とネオンだけだった。
※担当『染』