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チェルシー・ミストルフィンの黒猫による2人ピンナップクリスマス2019(横)
チェルシー・ミストルフィンの黒猫による2人ピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
シャイネンナハトに賑わう雪景色の幻想王都。その光景を見下ろす高台の上に『Cafe gui』は建っていた。
ヤドリギの名を冠したその木造りの店内を照らすランプの柔らかい橙色の光は、窓の外に見える冷たい雪すら仄かに暖かく感じられそう――そんな窓側の特等席で。
「ふっふっふ、今日はシャイネンナハト! 全部食べ尽くしてやるわよ!」
艶やかな葡萄色のドレスを身に纏うチェルシーは、自身に縁深い魔剣――今日に限ってはナイフにしか見えないそれを握り締める。
テーブルに広がる御馳走の数々に、既にやる気は満々。待ちきれないと緩みきった口元、いざステーキへとナイフを――。
「いっただきまー」
「あ、待ってチェルシーさん! まずは乾杯しようよ!」
向かいに座るヒィロがボルドーの華やかなドレスの裾を揺らし、ずい、とチェルシーを制止する。
「えぇー」
「まぁまぁ……こうやって、ね?」
お預けを食らったチェルシーの嘆きに「ほら」とヒィロがケーキに刺さるロウソクに指を伸ばすと――狐火がふわり、そこへ宿る。
灯された炎に合わせて揺れるヒィロの尻尾は、友人と過ごすこのひと時への楽しさが溢れ出て。
木製のジョッキをどちらからともなく掲げ、思い切り打ち鳴らせばーー。
後は食べて飲んで、楽しむのみ。
夜はまだまだ、これからだから!
※担当『飯酒盃おさけ』