イラスト詳細
呼応体質…『人』が『夢魔』へ堕ちる時
呼応体質…『人』が『夢魔』へ堕ちる時
イラストSS
聖なる夜――シャイネン・ナハト。
人々は聖女と悪魔の御伽話の中で、綺麗な夢を見る。
そんな日に。
「ああ……」
雨宮 利香は荒く息を吐いた。
熱い。
それは外からくる熱ではなく、自らの内から湧き出ずる熱。
望んでいたわけではない。
むしろおとなしくしていようと思っていたのに。
だけど聞こえてしまったのだ。
聖夜に夢を持てない男たちの嘆きが。夢を求める渇望が。
世界に満ちる望みは綺麗なものばかりではない。けれどそれらもまた、強い願望に違いないのだ。
「ああ、ダメ……」
聞いてしまえば、求められれば、利香はそれにあらがえない。本能というものは時に暴力的で、容赦がない。
「私、やっぱりサキュバスなのね――」
抑えきれない躰の疼き。利香は抵抗をやめてそれを受け入れた。
薄青の肌にきらめく金の瞳。
「――待ってなさい」
銀の髪の間にはくるりと巻いた角。
「――すぐに行ってあげる」
豊満なボディは触れたら蕩けそうで。
「――愛してあげる」
甘い香りの瘴気はいよいよ濃く。
「素敵な夢を見せてアゲル……♪」
大きく広げる翼の形は蝙蝠。
呼び声に応え、夢魔は聖なる夜へとすべり出ていった。
※担当GM『月舘 ゆき乃』
挿絵情報
- 公認設定『夢魔の宿命と主義』