イラストSS

　シャイネンナハトと言っても全く仕事が無い訳ではない。
　この夜、張り出されていたアルバイトにて偶々一緒になったエナとリリファ。
　なんかよく分からない怪しげなマッチを売る仕事であった。さては練達だなオメー。
「うふふふふ暖かいですねぇエナさん」
「うふふふふそうですねぇリリファさん」
　ともあれマッチを売り捌きまくる彼女達だったが……あまりに多い量に魔が差して。
　一本ぐらい火の頼りにならないかと擦ってみれば――途端にその目が淀んで妙に。
　見据える焔。
　揺蕩う流れに思考も歪み。
　ほんのり見えるは――己達が夢の果て。
　『一部分』が拡大強化された世界がそこに映っていた。え、『どこ』って……言わせないで！
「うふふふふ重いと肩がこるんですよねぇエナさん」
「うふふふふそうですよねぇ、こんなの邪魔なだけですよねぇリリファさん」
　このマッチ確実にやべー代物だ。
　微笑む表情。心の底から愉しそうな、楽し、うん？　な彼女達は幸せそうで。
　例え燃え尽きるまでの束の間だけであれど。
「うふふふふ」
「うふふふふ」
　幸せならば良いではないか。夢に浸かって沈んでいこう。

　――なおこのマッチ。あと数秒で効果切れで御座います。
　あ、やばい。彼女達が現実に戻ッ……！！

※担当『茶零四』