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ソアのsimaによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
ソアのsimaによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
(……くすぐったい。それに)
――ちょっと、恥ずかしい。
ふわふわの尻尾がエストレーリャの頬を擽る。華奢な少年を膝枕しているソアの尻尾が、先ほどからまるで大切な宝物を抱きしめて放さないというよう。されるがままのエストに嬉しそうなソアを見ると胸の奥がむずむず、あったかくて。くすぐったくて、恥ずかしい。けれど。このままで、いい。
「エスト」
金色の瞳が蕩ける蜂蜜のように甘やかに独占欲を満たしながらエストを覗き込む。名を呼ぶ声がおひさまのよう。
「メリークリスマス」
頷くエストの瞳が燈火が揺れるようにふにゃりとした。幼さ滲む愛らしいやわらかな笑みは、ソアだけのもの。
――甘やかしてあげる。
あたたかな手が優しく大切にエストを撫でる。ソアの体温に包まれて少年の指先が熱を辿るように自分を撫でる手に触れて。
「ソア、あとで、」
「うん。ケーキ食べよう」
プレゼントも、あるんだよ――秘密を胸に隠して微睡みの中で手を撫でれば、吐息すら混ざり合うような近さの彼女が花のように綻んで。
――満たされていく。
「眠っていいよ。あとでちゃんと起こすからね」
眠ってしまいそうにうつらうつらする耳に優しい声とあたたかな温度に蕩けるみたい。
「ずっと一緒にいようね」
夢心地に頷いて、きゅっと手を握る。幼子のようで、でも、それでいいのだと握り返る温度が喜びを伝える。ふたり、くっついて。互いの温度がじわりと溶けあって混ざるみたいな微睡みの中、優しい時間が過ぎていく。口に出すには少し照れてしまうけれど――こうすれば、夢の中でも一緒だね。
※担当『remo』