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イラスト詳細

ルチアーノ・グレコのsimaによる2人ピンナップクリスマス2019(縦)

作者 sima
人物 ルチアーノ・グレコ
ノースポール
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2019(サイズアップ)
納品日 2019年12月24日

5  

イラストSS

 ブーツの音が耳へと届く。
 練達。旅人が中心の此処でも世界の祝いはあるのであれば。
「わぁ……! こんな文化もあるんだね!」
「うん。旅人の世界で……『大正浪漫』って言うらしいね」
 和の文化。外で言う所の――日本。
 その大正時代の服装に身を包むノースポールとルチアーノがいた。
 折角の機会だから……と興味程度だったのだが。
「ルーク、ルーク! 見てあの建物、赤煉瓦で造られてる! あれもハイカラの一つなのかな?」
 ノースポールは随分と興味を惹かれた様だ。
 普段目にせぬ建物と文化の羅列。
 己が心に風が吹いたかのように彼女は眼を輝かせて。
「うん――うん。そうだね、ポー」
 しかし。
 ルチアーノには、彼の目には。
 ハイカラの数々ではなくたった『一つ』に釘付けにされていた。

 ――笑顔を見せるノースポールの横顔に。

「……」
 袴に身を包む彼女。新鮮な姿と輝かしい顔がここに。
 大正とやらの文化に自身も興味はある、が。
 目をやる前にこちらの煌めきに気付いてしまったのだから仕方ない。

 ――夢中なのだ。己も、また。

 夢を見る。浪漫の中で、夢を見る。
 今宵の夢か。彼女の姿は黄金が如く。
 歩く彼女の横に続いて、ルチアーノもまた一歩を踏み出せば。

 ブーツの音が、耳へと届いた。

※担当『茶零四』

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