イラストSS

「「輝かんばかりのこの夜に！」」

　合言葉から始まる２人のシャイネン・ナハト。目の前の大皿には綺麗──とはちょっと言い難いホールケーキ。
　それを切り分け、２人はせーので一緒に食べる。
「……美味しい♪　スポンジちょっと焦げちゃったとこ、全然気にならないねー！」
　笑顔全開、満面の笑みを浮かべるルアナ・テルフォードに炎堂 焔はほっと安堵の笑みをこぼして。
「うん。食べれるのが出来るか不安だったけど、ちゃんと出来てよかったよ」
　そう、これは市販のケーキではない。焔とルアナが一緒に作ったケーキなのだ。
『どうしよう、ちょっと焦げちゃった！』
『た、たぶん大丈夫じゃないかな……あれ、甘い？　ちゃんとレシピ通りに……あっ、入れすぎてた！？』
　スポンジをうっかり焦がしたり、生クリームを甘くし過ぎたり。
　ドタバタと慌てる中で作られたケーキ。自分たちで作ったものながら、食べるその瞬間まで「本当に食べられるのか？」と疑いの目を向けてしまったのは致し方ないと思う。けれども２人の努力はちゃんと実を結んだようだった。
　ケーキ美味しいね、と微笑みあって。次はもっとうまく作ってみせると心で思いつつ。シャイネン・ナハトの夜はゆっくり更けてゆく。

※担当GM『愁』