イラスト詳細
愛ある食卓、あるいは心なき饗宴
愛ある食卓、あるいは心なき饗宴
作者 | 糸田魚 |
---|---|
人物 | マルベート・トゥールーズ |
イラスト種別 | シングルピンナップクリスマス2018(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2018年12月24日 |
15
イラストSS
●愛の宴
聖夜を誰と過ごすかは人それぞれだ。一人で過ごすか、大切な相手と過ごすか。
「おまたせ、それじゃあ饗宴といこうか」
マルベートが自邸である洋館の食堂の扉を開け、語りかけた相手は彼女の眷属たる狼達であった。黒い狼達は主に従い、その全てが自らに与えられた席に着き、各々に並べられたボリューミーな何かの厚い肉料理や副菜、そして年代物の高級な赤ワインの入ったグラスを涎を垂らして眺め、ただ待ち続ける。
マルベートはそんな彼らに向かって微笑むと、蝋燭のみが暗闇を照らす食堂の中を優雅に歩き自らの為に用意された立派な椅子にゆっくりと座った。
「いただきます」
そしてマルベートが手を合わせ、ナイフとフォークを手に取り、肉へとその先端へと当てた瞬間――まるで呪縛が解けたかのように狼達の『食事』が始まった。
唸りながらグラスを倒し、スープをひっくり返し、テーブルに広がった水たまりを舐め取り、そして獲物たる肉へと噛みつき、奪い合う。肉やガラスの破片が飛び散り食堂が喧騒に包まれる中ただ一人、マルベートだけは優雅に肉を切り分け、どこか満足そうな表情でその光景を眺めながら自らに用意された食事を堪能するのであった。
※担当GM『塩魔法使い』