イラストSS

「クリスマスの空気もなかなか良いものよね」
　浮かれる子供たち。手をつなぐ恋人たち。……にぎやかな空気。
　積極的にその輪の中に加わることこそなかったものの、エスラはそんな街の風景が嫌いではなかった。
　サンタクロースの帽子を深くかぶり、尖った耳を隠しながら、町の風景を通り越していく。
　ようやく帰路につき、自宅の扉を開けようとしたところで、ふと、玄関の隅に置かれた荷物に気が付いた。
（なにこれ？）
　灰色のストライプの、ずいぶんと大きな小包だ。ひっくり返して調べてみたが、差出人の名前はない。
　慎重に包み紙を破いたエスラは、再び困惑することになる。
　その中から、また同じような小包が出てきたからだ。
（ほ、ほんとになんなの？）
　そしてその小包の中からは、また新たな小包が現れる。ということは、その次の小包からも……２，３回それを繰り返しているうちに、エスラの胸は高鳴っていった。
（まさかこれって……）
　思い当たる人物があったからだ。
　小包はだんだん小さくなって、ついには手のひらに収まるサイズになった。
　おそらくこの中には、『プレゼント』が入っていることだろう。

　※担当GM『布川』