イラスト詳細
シャイネンナハト2017 三賊爆死編
作者 | kiyoponmaru |
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人物 | キドー・ルンペルシュティルツ オクト・クラケーン グドルフ・ボイデル |
イラスト種別 | 3人ピンナップクリスマス2018(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2018年12月24日 |
イラストSS
鳴り響け聖夜の鐘よ。
夜空にとぶ三つのシルエットたちよ。
王都の屋根伝いにはねる彼らを、裏社会の者たちは伝説をこめてこう呼んだ。
――『三賊同盟』
「ウオアアアアアアアアアア!!!!」
胸のはだけた赤い上着。山賊グドルフは貴族邸宅の屋根からダイブした。
「誰だ、この格好すれば民家に入り放題つったのは!」
白い袋をかついでスーパー山賊着地。
「畜生、話が違えじゃねーか!」
その横に音も無く着地したのは盗賊キドー。
「かかっ。これじゃあただの泥棒と変わらねえな」
そのまた横にどっしりと着地する海賊オクト。
彼らの服装はまさしく『サンタクロース』。
昨年のシャイネンナハトより国のあちこちで流行ったというプレゼントをくれるおっさんの都市伝説である。
「いたぞ!」「殺せ!」「逃がすな!」
そんな彼らの足下に、数個の手榴弾が転がった。
巡る走馬燈。
思い返すは昨夜の酒場。
始まりは誰の言葉だったろうか……。
『サンタクロースってやつはガキの家に忍び込んでオモチャを置いていくらしいぜ』
『誰にもバレずにか。ヤベえな』
いつものように博打でスッてパンイチと化した男たちは、通行人からスリとってきた金を酒に変えていた。
『去年王の依頼だかでやったから間違いねえ。もし見つかっても合い言葉ひとつで見逃してくれるって話だぜ。えーとなんだったかな……め、めりー……栗?』
思い立ったが吉日。三人は露天のケーキ売りから赤い衣装をはぎ取ると、富裕層だらけの王都へと繰り出した。
手順はシンプル。金持ちの屋敷にそっと忍び込んで盗む。バレても『メリークリスマス。このことはナイショだよ☆』と言えば見逃してくれるという。
キドーは貴金属や宝石を、グドルフは高級な酒を、オクトは換金率の高いパンツを大量に袋に詰め込み、うはうは気分で外に出た……途端。大量のライトが彼らを照らした。
「「め、メリークリスマス!!」」
たっぷりの笑顔でそう述べた三人に向けられたのは、大量の銃口と剣であった。
手榴弾が次々に爆発する。
派手に吹き飛びながら、三人は涙目になって叫んだ。
「「「輝かんばかりの夜って次元じゃねーぞ!!!」」」
翌日の朝刊新聞。
様々なニュースが並ぶ中に、こんな見出しが躍った。
『サンタクロース泥棒現わる』
――昨夜王都にて、赤い服を纏って盗みに入る三人組が現われた。
――多数の屋敷に忍び込み金品を奪った彼らは大量の兵士によって拘束。
――三人は取り調べに対し『サンタクロースならいけると思った』と供述している。
――なお三人は留置場から忽然と消えた模様。兵士たちは三人の行方を追っている。
※担当GM『黒筆墨汁』