PandoraPartyProject

イラスト詳細

されど、わがみのおはりはいまだとほく

作者 傾 千悠
人物 クーア・M・サキュバス
イラスト種別 シングルピンナップクリスマス2018(サイズアップ)
納品日 2018年12月24日

19  

イラストSS

 雪が降り、静かな路地裏。星に願いをかける夜──シャイネン・ナハトに、クーア・ミューゼルは松明を持ってふらふらと歩いていた。
「嬢ちゃん、大丈夫かい?」
 声をかけられて振り向くと、1人の男が近くに立っている。その言葉と反して、その瞳には下卑た色が宿っていた。
「明るい火は要りませんか」
 上目遣いに見上げる。松明で照らされたクーアの表情に一瞬ギョッとしたものの、男は至る所を焦がした彼女の姿に訳アリだろうと思ったのか。少し考えるそぶりを見せた男へ、クーアは再度問いかける。
「……明るい火は、要りませんか?」
 ハッとクーアを見た男は一転、優しげな笑みを浮かべて「貰おうか」と頷いた。
(ああ、やっと売れたのです……!)

「お買い上げ、ありがとうございます。寒い聖夜に、暖かで救いに溢れた焔のプレゼントなのです!」

 瞬間、男の姿が業火に包まれる。ああ、声を上げてしまうほどの暖かさらしい。聖夜といえど冬だ、きっと男も凍えていたのだろう。
 クーアの曇りなき善意により、黒焦げのナニカが1つ出来上がる。
(『あの時』の再現には遠いですが、今はもっと、焔を皆さんにプレゼントしないといけないのです!)
 ──こうして、こげねこメイドは裏路地を行く。

※担当GM『愁』

PAGETOPPAGEBOTTOM