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ステファン・ダールバニの弌花瞠による2人ピンナップクリスマス2018(横)
ステファン・ダールバニの弌花瞠による2人ピンナップクリスマス2018(横)
イラストSS
ピチ、チ、と小鳥が鳴いた。
何処か空気が冷たくとも、昼下がりのお茶会は柔らかな空気に包まれている。それは周りの木々がそうさせるのか、それとも"彼ら"の雰囲気がそうさせるのか。
それは誰もがアフタヌーンティーを思わせる光景だった。白レースのテーブルクロス上に、上品な洋梨型ティーポットとカップ。3段ケーキスタンドにはサンドイッチやケーキ、マカロンが彩りを添えている。
それらを囲むのは雪を思わせる真白の人形少女と、どこか中性的な飛行種の少年。
「絵を描くの?」
ヴァイス・ブルメホフナ・ストランドは興味津々、といった様子で身を乗り出した。ステファン・ダールバニはカップを持ち上げながら淡く微笑む。
「スケッチブックに描いてるんだ。あとで見てみる?」
「まあ、いいのかしら? とても気になるわ!」
両手を合わせて微笑んだヴァイス。スケッチブックに描いた絵──世界が贈った擬似の星空や、異世界の物のスケッチ──を見たら、彼女はどんな表情を見せるだろう。
そんな彼女は楽しみね、と言いながらいちごのタルトへ手を伸ばす。暖かな日の光を受け、まるで赤の宝石が煌めくよう。
和やかに、密やかに。2人の時はゆるりと過ぎていく。
※担当GM『愁』