イラストSS

　甘い香りが漂う室内で、長い髪を揺らすパーシャ・トラフキンはクリスマスツリーに飾り付けを行っていた。
　輝かしいアクセサリーをツリーにくくりつけながら、共に過ごす彼女――ミミ・エンクィストの作るケーキを待っていたのだ。
「これで、最後です」
　大きな星の飾りをツリーのてっぺんにつけようとしたその時、後ろからエプロン姿のミミが声を掛けた。
「出来ましたよー。
　今日の主役、二人のクリスマスケーキです」
「わあ、可愛いです」
　星の飾りを手に持ったまま振り向いたパーシャは、出来上がったケーキを前に目を輝かせる。
「えへへ、自信作なのですよ。
　見て下さい、このマジパン人形。上手く出来ていますか？」
「うんうん、よくできてますね。
　ふふふ、二人並んで立っていて可愛いです」
　子供のように目を輝かせるパーシャに思わずミミは微笑んで、ケーキをテーブルの上へと置いた。
「さあ、それじゃ飾り付け終わらせてしまいましょう」
「そうですね、あとこの星をつければおわりです」
　そうして二人でツリーに星を飾って、満足な飾り付けに頷き合えばパーティの始まりだ。
　シャイネン・ナハトの夜に、二人の笑い声が室内に響くのだった。

　※担当GM『澤見夜行』