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とある兄妹のクリスマス
とある兄妹のクリスマス
イラストSS
輝くスノードームをその小さな掌で包み込んで。
ミルフィは青空の様な瞳を大きく開き「わあ」と声を出す。
その煌めきに「ミルフィ、このスノードームはね」と優し気に目を細めたアベルが細かな細工の施されたスノードームを撫でた。
氷の花をイメージしたスノードームには少しの逸話。
――深緑のどこか深く。決して溶けることのなき氷の花。
夜にだけその蕾を開き、夜闇の中で雪を降らす様に淡く煌めくその花は――
そこまで聞いて、アベルの言葉にミルフィが眸を輝かせにんまりと笑う。
アベルの次の言葉はミルフィには想像がついていた。だって、だって、きっと素敵なお話なのだから。
「その花言葉は、」
「兄様、兄様、知っているわ! 花言葉は『信じあう幸福』でしょう?」
きらりと、スノードーム以上に瞳を煌めかせて笑ったミルフィは兄様、と包みを渡す。
「これは――……」
ワイン×ブラックの落ち着きあるスヌードマフラーは紳士的でクールな雰囲気を感じさせる。
これから訪れる寒い冬に、と兄へと送ったプレゼントに、ちら、とミルフィが彼を見遣れば。
「有難う、ミルフィ。とても――とても嬉しい」
とある兄妹のシャイネンナハトは幸福に過ぎていく。
※担当GM『夏あかね』