イラストSS

　シャイネンナハトを楽しむならば――？
　そう、皆でプレゼントを抱えて歩き出そう！
　だって、イイコの許にプレゼントを届ける事がサンタさんの役目なのだ。

『かっこいいパパ』となる為にトナカイの角を頭にセットし、花を赤く塗ったウェールは養子（じつのむすこ）の為にプレゼントをと意気込んでいる。
　パパはプレゼントに不安を抱くものだが頑張らなくてはならないのだ。
　――実は、プレゼントは１度きり。喜んでくれるのかな、なんていう不安を抱いているがそれではパパは務まらない。
「大丈夫……？」
「大丈夫、大丈夫。良きクリスマスにしよう」
　もふもふとしたその体を赤い衣装に身を包み、碧の袋を担いだグレイルはちら、と周囲を見回した。
「……雪、降ってきたね……？」
「雪だな。ホワイトクリスマスってなら、養子（むすこ）も喜ぶはずだ」
　うんうんと頷くウェールにグレイルも柔らかに笑みを浮かべる。
　彼の云うクリスマスは彼の世界での呼び名なのだろうか。練達には馴染みあるグレイルにはよく聞いた言葉だなとぼんやりと感じる。
　ホワイトクリスマス――輝かんばかりの白きシャイネンナハトを彩るのがプレゼントなのだというならば。
「にゃっはー！」
　陽気に笑顔で、それこそ元気いっぱいなジョゼは『クリスマス』を想像しながら幻想の街をすたこら歩く。
　彼の役目は『サンタクロース』。子供達にプレゼントんを配る素敵なおじいさんだ。……此度は素敵な『もふもふさん』たちなのだが。
「さあさあ、配って回るぞー！」
　さあ、出発だと意気揚々と走りだすジョゼの手にしたプレゼントは誰もが喜ぶ一品だ。
　包み紙の中身は勿論『プレゼントする子供達』一人一人にぴったりな一品だ。
「『サンタさん』？　はソリで空からやってきてプレゼントを運ぶんだろ？
　空を飛んで荷物運ぶのは任せろー！」
　海洋生まれ、海洋育ち。カイトは赤い翼をばさりと揺らす。
　航海士の夢をその胸に、今から？　そう、大空を航海気分でプレゼント運び。
　ソリの代わりに空からプレゼントを運び入れれば眠たげな子供達だって心を騒がせ、輝かんばかりのこの夜を全力で楽しんでくれるはずだ。
「次はどっちからいく？」
「次は、あっちの通りにしようぜ」
　幻想の街は広い。だからこそ、四人揃って『サンタクロース』として子供達に笑顔を届けるのだ。
　さあ、楽しい『クリスマス』――シャイネン・ナハトを演出するために、『サンタ隊』の出発だ――！

　※担当GM『日下部あやめ』