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ある日のポメ太郎


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 誰かを待っているのだろうか、じっと窓の外を眺めている。
 その姿は諦めている様でもあり、待ち望んでいる様でもある。

 この小さな命はきっと人と比べるべくもない短い命を生き抜いていつか真っ当するのだろう。
 けれど、その短い間の筈の時間の中で出会えた人、もう会えなくなってしまった人も数えるのを止めてしまうくらいには出会いも別れもあったのだ。
 
 また遊びに来てくれるかなあ、なんて、そんな事を考えるのだ。
 またボールを投げたり、言葉は解らないけれど遊んで貰ったり、撫でて貰ったり、そんな日が来れば良いなと思う。
 遠くにうっすら影が見えた気がした。その影が知り合いに似ている様に思えて、わん、と吼えた。

 すぐ近くに居たご主人がお客さんか? と寄って来るが、人の姿の影の形もない。
 その事実がただ寂しかった。わん、と吼えても窓の外からは何も返事は無い。
 くしゃくしゃと頭を撫でられた。ご主人は少し寂しそうだった。

 パチパチと暖炉にくべた木が弾ける音がする、寒い日の一幕であった。

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