ギルドスレッド
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俺の家
●4
頭がガンガンする。
今日も今日とて、二日酔いだ。
普久原は元来、さほど酒が強くない。
それでも夜は狭い自室で、晩酌の習慣を欠かさなかった。
ウィスキーのロックをダブルで一杯、ちびちびとやる。
小説投稿サイトを読み、イラスト投稿サイトを楽しむ。
この時間だけが、人生の充実であった。
けれど、たまに羽目を外して何杯もやる。それこそ朝までやる。
決まって襲いかかる二日酔いに後悔するが、どうにも辞められやしない。
あんなことを思い出した晩には、特に――
希望ヶ浜に来てから、もうずいぶんと経つ。
自身の、訳の分からないこだわりさえ、時たま分からなくなる。
それをアイデンティティーだとか、レゾンデートルだとか、格好良い横文字を並べて思い出してみても、流れる時間に揺蕩う自我というものは、今この時をこそ現実だと叩き付けてくる。
いつだって決まって、こんな二日酔いの朝だ。
普久原は、この世界での容姿から『ほむら』と名を変えて生きている。
――現実は受け入れなければならない。
――好き嫌いは克服しなければならない。
そも、これを好き嫌いの範疇に含めることが、傲慢である。
望んだ身体なのだ。望んだ未来なのだ。
美少女異世界転生というものは!
それを許していないのは、ただ自分の心だけなのだ。
私は。この世界を――楽しんでもいいのかな。
頭の中で何がどれだけぐるぐる回っていても、現実とは聳える不動の巌である。
それでも普久原は、今日の夕方から、別件の仕事があることを思い出していた。
かつて自身が背を向けた『ローレット』という組織の、案内をすることになっている。
述べねばならない言葉を頑張って思い出す。
シャワーを浴び髪を整えて、押しつけられた制服を着て、鏡の前で小首を傾げてみせる。
「えーっと。ローレットのイレギュラーズさんですよね。
この街は初めてですか? ご案内します。色々と、珍しいと思いますので……」
鏡の中の人は、今日もどうしようもなく綺麗だった。
頭がガンガンする。
今日も今日とて、二日酔いだ。
普久原は元来、さほど酒が強くない。
それでも夜は狭い自室で、晩酌の習慣を欠かさなかった。
ウィスキーのロックをダブルで一杯、ちびちびとやる。
小説投稿サイトを読み、イラスト投稿サイトを楽しむ。
この時間だけが、人生の充実であった。
けれど、たまに羽目を外して何杯もやる。それこそ朝までやる。
決まって襲いかかる二日酔いに後悔するが、どうにも辞められやしない。
あんなことを思い出した晩には、特に――
希望ヶ浜に来てから、もうずいぶんと経つ。
自身の、訳の分からないこだわりさえ、時たま分からなくなる。
それをアイデンティティーだとか、レゾンデートルだとか、格好良い横文字を並べて思い出してみても、流れる時間に揺蕩う自我というものは、今この時をこそ現実だと叩き付けてくる。
いつだって決まって、こんな二日酔いの朝だ。
普久原は、この世界での容姿から『ほむら』と名を変えて生きている。
――現実は受け入れなければならない。
――好き嫌いは克服しなければならない。
そも、これを好き嫌いの範疇に含めることが、傲慢である。
望んだ身体なのだ。望んだ未来なのだ。
美少女異世界転生というものは!
それを許していないのは、ただ自分の心だけなのだ。
私は。この世界を――楽しんでもいいのかな。
頭の中で何がどれだけぐるぐる回っていても、現実とは聳える不動の巌である。
それでも普久原は、今日の夕方から、別件の仕事があることを思い出していた。
かつて自身が背を向けた『ローレット』という組織の、案内をすることになっている。
述べねばならない言葉を頑張って思い出す。
シャワーを浴び髪を整えて、押しつけられた制服を着て、鏡の前で小首を傾げてみせる。
「えーっと。ローレットのイレギュラーズさんですよね。
この街は初めてですか? ご案内します。色々と、珍しいと思いますので……」
鏡の中の人は、今日もどうしようもなく綺麗だった。
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え、あ。あ、あー……。
ええと。どうも……。
今の聞いてました?
ヒェッ……。