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俺の家

†常闇のトビラ†

フン……このように狭苦しい場所が、我が第二宮とは、な。

え、あ。あ、あー……。
ええと。どうも……。
今の聞いてました?
ヒェッ……。

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●3-2
 探求都市国家アデプト――練達という国では、再現性東京なる地域を案内された。
 別に東京に思い入れがあった訳ではない。
 どちらかと云えば、そんな場所からはさっさとおさらばしたい人生だった。
 別段、故郷だの実家だのに帰りたかった訳でもない。
 ただずっと『ここではないどこか』へ行きたかっただけなのだ。
 だから普久原がそこを居住地に選んだのは、やはり消極的な理由に依った。
 一番『面倒臭くなさそうだった』からである。
 なんといっても、東京(こきょう)に良く似ている。
 コンビニもあれば、アパートもあった。酒も煙草もインターネットも、なんでもござれだ。
 仕事だってある。
 馴染みのあるIT系の仕事だ。
 世界法則『混沌肯定』に支配され、物理法則さえ根幹から異なっているであろう世界で、わざわざノイマン型コンピューターを再現するというのは、ある種の狂気さえ感じるが。
 けれど見た目が変わっても、世界が違っても、『出来そうなこと』があるのは何よりも心強かった。
 自身がありふれた文明社会にそれほど依存していたことは――ある種の残念さは伴っていたが――当然のように受け入れることが出来た。
 心機一転しようと考える程の余力は無かったが、どうにか生きて行けそうだったと感じられたのだ。

 だから。
 あの言葉はショックだった。

 ――いままでの人生が夢じゃなかった証拠なんて、どこにあるんです?

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